美術館の腕 1.4



 その一日の始まりは、文章の始まりに置く余白のように、非常な活発さのまえぶれだった。
 美しく刈り込まれた大樹に囲まれた美術館の巨大な肉体は、高価な都市中心部に惜しげもなく設えられたキングサイズのベッドにゆったりと横たわって久しい。
 人々は期待を胸に美術館へ謁見を求め、古典技法の繊細さと近代技法の大胆さが混ざって空間がねじれたようになっている正面玄関へ喜々として吸い込まれていた。

 その玄関の脇のイチョウの木を囲う煉瓦塀にこしかけて、一時間も待っていた。遅刻したら置いていかれるのではないかと考えて、早く到着しすぎたきらいがあった。待ちあぐね、季節が夏から秋へ変わり、イチョウが黄色く染まって降ってくる気がした。
 木漏れ日の下で、隊長は静かに皺深い細目を閉じるとも開くともなく、駅から打ち寄せる人波の方へ向け、浜辺の漁師のように佇んでいた。だからこの男は美術館に背を向けていた。
 時々、隊長を見知った屈強そうな男らが到着した時は、彼らだけで軽口や冗談を言い合ったが、他の見知った仲でない者同士は、労働に先だって打ち解けるために会話を交わすということはなかった。
 この集団に加わった者達が取り組む労働は、それでいっそう、野生動物らの狩りにでも近いように思われた。学習して実践すべき規律も、予め守られた開始と終了の時刻もなく、それゆえ身の安全の保証もなかった。集団というより群れのようなものだった。それなのに、気付けば不思議なほど多くの人間が、一人また一人とイチョウの木の下に歩いてきては、隊長からヘルメットを受け取った。隊長が立ち上がって狩場へ向かい始めるときには、群れは十余人にもなった。
 年齢も体格も様々だったが、その誰もが、この都市の内より現れた住人であることは明らかだった。そのくらい群れは、都市の中心部で短い期間に募られていた。ノームや、レプラコーンや、ゴブリンが、森でなく都市の伝承であったように、妖精的な労働力が何処からともなく発生し、何処かへ向かおうとしていた。
 隊長の足取りは確かで、華やかな展示案内、裕福な外国人旅行者の憩うカフェテラス、背の高い瀟洒な噴水が立ち並んでできた水の並木道などを、つぎつぎとななめに横切っていった。
 曖昧な隊列を為す十余人が隊長の背に付いて、美術館の順路や外苑の遊歩道とは程遠い、到底何処へ辿り着けるとも思えない道どりを進んでいった。社会の大きな流れの喧騒が耳からはがれ落ちていって、かわりに野鳥の鳴き声や噴水のしぶく音などがよく聴こえはじめた。一行は一歩歩くたびに社会性を失い、言語能力を失っていくようだった。
 石壁の間にある錆びた鉄門の前で、隊長が足を止めた。そこでまた一時間、誰も何も言わず待った。あまりに風景を観察する余暇に満ちており、鉄門の格子の隙間から奥に詰め所が見え、そこの制服を着た守衛と目が合った。その守衛は時々門を開き、荷台に木箱や鉄骨を詰んだ大きな車を中に通していた。
 待っているとまた何人か、まさに、ちょうどいましがた見た車の積み荷でできたような角ばった骨格をした男達が、大股で歩いてきて、隊長に一声掛けた。最後に群れに合流した彼らはいかにも傭兵風情だった。腕を鳴らし、報酬で買った酒や女や道具の話をしては笑い合っていた。そこは国で最大の文化教育施設のすぐ裏手だった。
 これで狩りに足る面子は揃ったらしかった。鉄門が開かれ、一人一人に番号タグが渡された。それはかつて絵画展を見に何度も美術館へ訪れたとき、館内の手荷物ロッカーで見た鍵に付いていた番号タグと同じような製品だった。こうして群れはおのおのの肉体を美術館に預け、美術館の腕になった。



 門の先には広い優雅な敷地に、重機やトラックが秩序無く停車していた。
 古風な赤い煉瓦張りの壁の外周に沿って、上品な植え込みを鑑賞するように、人の背丈ほどの頑丈そうな木箱がいくつも立ち尽くしていた。それは子供の頃に歴史の教科書の片隅で見た、外国の鉱山の写真にあったような木箱だった。
 世界有数の宝石ブランドが開催した大展覧会の撤収日だったので、中身も鉱山の木箱同様に、大粒の宝石が満載されているに違いなかった。脇目に通りすぎると、木箱の側面には英字のゴシック体で大きくコーションと焼印されていた。
 その辺りまで近づくと、力強く金属を打つ音や、男達の叫び声がはっきりと聴こえてきた。木箱も騒音も、何もかも非現実的に大きくなっていく。不思議の国やオズの国の童話を連想させた。
 木箱の先は中庭に通じていて、育ちきった鉄の牛のような手押し車がいくつも放牧されていた。隊長と傭兵たちが十余人の群れに発した最初の指令は、この鈍色の牛を導く牧童をつとめることだった。
 番号タグの数字を見れば、すでに百余名の労働者がこの門をくぐり、美術館の腕になっていることがわかっていた。それほどの人手が必要であるわけは、一台の手押し車に何人かで組みついて運びはじめると間もなく理解できた。手押し車の車輪はどれも固くいびつで、神経の通っていない足で彷徨う役畜を連れ回すようだった。しかしこれらを運び入れなければ美術館内に控える巨大な獲物共を搬出しようがないらしいことは、通り過ぎてきた木箱らを見ればあきらかだった。
 恐ろしいことに、手押し車に使える傾斜路は何度も直角に湾曲しながら伸び、そのうえあらゆる手すりが硝子張りになっていた。積み荷の無い手押し車を一台連れ込むのに四人の腕が必要だった。美術館は実に手のかかる建物だった。

 館内に入るとき、脇にタキシードを着た整った髭の老人が立っていて、一人一人の首にかけたタグを目視で確認していた。老人の佇まいは上品で、正規に美術館に仕えている職員であろうことを伺わせた。
 老人の身なりに反して、手押し車を押して入った館内はあまりに無骨で荒々しかった。それは建築中の山小屋か、年に一度の掃除の最中に誤って踏み入れた畜舎の景色だった。壁という壁の壁紙は剥がされ、ささくれた木肌や、砂やすりのようなコンクリートが露出していた。あちこちでがなり立てる男達の声に混じって、大きな動物の悲鳴のような機械の駆動音、決死のつばぜり合いめいた金属のぶつかり合う共鳴音が場を満たしていた。
 どこかで石材でも削っているのか、通気性の悪い館内には砂塵が舞っていた。それが濃い一帯などは、ほとんど戦場の迫力だった。それでも迷宮のように入り組んで広がる回廊と、コリント式の豪奢な白い円柱は、記憶の中の美術館の特徴を備えていた。明かりが点いている部屋は一つもなく、どの柱も傷つかないよう分厚いぼろ布が巻かれていた。美術館の柱も寝るときは毛布に包まるというのは意外なことだった。
 この初見の戦場で、手押し車を引き連れる役目に預かれたのは幸いだった。戦車が駈けるのを躱すごとく、どの男達も車輪の振動を感じて俊敏に道をあけてくれた。そうでなければ奥へ歩を進めるのも困難だっただろう。ある男達は身の丈ほどもある額縁を壁から外し、敵将の首を取った兵士のようにそれをまばたきもせず布に包んでいるところだった。
 砂煙に目を細めながらもよく眺めると、傷つく心配がないために隠されていない天井近くの装飾、たとえば柱と天井の継ぎ目の金に塗られた大きな百合の花の彫刻や、部屋と部屋をつなぐ回廊のアーチに描かれた天使、天女の羽衣のようなクリスタルガラスのシャンデリアなどが、頭上より戦車を祝福してくれていた。
 途中、まっすぐに長い回廊があった。そこはいっとう薄暗く、また静かで広く感じられた。両の壁には無数の額縁の形の痕があり、床にはショーケースを固定していた金具を外したときに残された、赤さびの混じった金屑がちらちら光っていた。戦いの終わった回廊だった。
 回廊の終わりには、大天使の胸像がいただかれた巨人の通用口のような扉が開かれていて、その先の少し明るい空間に、逆光で影だけになった隊長が立っていた。
 隊長は何かを凝視していた。それは気にはなったが、もう一台残っているはずの手押し車を運びに戻った。手ぶらで戻るのは容易くはなく、道々で様々な雑用に囚われた。
 資本主義社会の下での労働はしばしば代理戦争の役割を示す。仕事を持たざる者から順に、捕虜となり奴隷となる。訳のわからない汚れた塊を胸に抱きあげて運んだりしながら、それでもなんとか戻ってみると、最後の手押し車は群れの他の者が運び出していた。

 隊長の脇まで這いもどって一息つくと、そこは美術館の中心部だった。丸ごと彫刻でできた円筒状の吹き抜けの広間で、恐らくフランスのベルサイユ宮殿のホールが再現されていた。白と金、直線と流線が織りなす耽美な造形のドーム構造が、広間でひしめく男達の怒声と金属のぶつかり合いを反響させ、ひときわ鼓膜を震わせた。
 隊長の視線は、その目元と同じくらい皺が寄っている手がかけられている、規則正しく石柱が並んだ手すりの階下に注がれていた。隣から覗き込むと、大理石のタイルが敷き詰められた広間には、特に屈強で勇猛そうな出で立ちの男達が真剣な表情で、黒い竜の骨格標本のような構造物に挑みかかっていた。竜は何頭も立ちはだかっていて、いずれも長い首が中二階をゆうに越えて天井の間近まで伸び、首の先の厚い顎で、男達の手首ほどある太さの鎖をくわえていた。それぞれの鎖は垂れ下がった先で、一つの大きな輪上の物体を吊るす支えとなっているようだった。それはホールの直径よりほんの一回り小さい、銀色に光る葉を無数にぶらさげた巨大な光輪だった。
 突然、男達の怒声と金属音にはある法則性があることに気が付いた。男達が同じ音韻の怒声を、一斉に上げる瞬間がある。そのたび、竜の顎がいちどきに緩んで、全ての鎖が僅かに落ち、光輪が地上に近づく。鎖が引きつる硬い金属音と、光輪のまとっている銀の葉が揺れる無数の金属音が鳴る。それが重大な儀式のように繰り返されていた。狩りも、戦争も飛び越えて、神話の場面に立ち会ったようだった。それは存在しない大天使の葬儀のようだった。
 次第に光輪が地に墜ちるにつれ、隠されていた数え切れないほどの天井画が顕わになった。一つ一つ、姿見のようにたっぷりしていて、宝石のように磨かれており、ヘルメスの杖やアレクサンドロス大王の兜、ネロの竪琴や智慧のグリフォンなどの鮮やかな絵が、下から仰ぎ見ても正面に見える特別な技法で描かれていた。その全てが、金の月桂樹や百合の花、小天使などのレリーフでくまなく縁取られていた。
 それらに目を奪われている間に、足元から金属を切断する電動工具の駆動音が鳴りだした。見下ろすと、美術館の入り口で見た傭兵風の男の一人が、大天使の輪に回転する刃をあてがって火花を散らしていた。輪は厚い表皮を殺がれ、続く男達に指とカッターで八つ裂きにされた。
 それを呆然と見ていた黒竜も、ほどなく樹木の伐採のように横倒しに倒されていき、その遺骨を手押し車に乗せて運ぶ作業が始まった。
 つかの間の休憩が終わり、この日の最大の仕事が始まった。



 黒い竜の骨は大小様々あったが、そのどれもが人の両腕を広げたより長く、どこをどう持っていいかわからないほど黒く、そもそもいくつかは人一人が持ち上げられるよりも重かった。
 軍手ごしの手触りはざらざらと不均一で、いくつもの金属が残酷に混ざって固まっている感じがした。それは熱かったり冷たかったりした。恐らく、強い摩擦に晒された箇所や、間近に明かりがあった箇所は熱をため込み、そうでない箇所はありのままに冷えきっているのだった。
 はじめは手押し車に鉄骨を積んでいったが、間もなく満載になり、あちこち居合わせた二人ずつで、一本か二本の鉄骨を手ずから運んだ。五十歩ほど運んではそこに鉄骨を積み、その五十歩を取って返しては次の鉄骨を拾った。
 鉄骨を持ち上げるときと下ろす時、掛け声を掛け合うので、そこに怒声が生まれた。布を敷いた床に鉄骨を下ろすときはどさりと塵が舞い、既に鉄骨を山積みした上に下ろすときは金属音が鳴り響いた。
 手押し車が役に立たないある通路の手前で、鉄骨と手押し車がいくつもたまって立ち往生していた。その先は螺旋階段だった。
 手押し車を二人で縦に持ち上げ、掛け声を掛けながら階段のなるべく中心を一段ずつ降りていった。視界の前方は手押し車で塞がっているので、一段降りるたびに掛け声を掛けながら、ずっと足元を見ていた。階段に敷かれた覆い布のきわから、金色の房をたくわえた赤い絨毯が覗いていた。同じ要領で鉄骨を降ろす間は、横を見ていた。螺旋階段の白くなめらかな白磁の手すりは、とびきり美しかった。手すりにぶつかれば、多額の修理費が求められるだろう。勿論誰にも支払えるわけがないが、その日の報酬が無に帰すことは予想が付いた。
 螺旋階段を昇り降りしながら鉄骨を十本も二十本も運ぶ内に、体の奥で火が付いて、脂肪が沸騰して溶け、筋肉は千切れ、体内がスープになっていくような気がした。あまりに重いものをゆっくりと運びおろし、そのすぐあとに軽やかに駆け上がって次の鉄骨を迎えにいくことを繰り返していると、重力の感覚が麻痺して、美術館の螺旋階段を通る赤い絨毯の血管を行き来する、赤血球か何かの細胞になったようだった。絨毯のきわの房が毛細血管に見えた。赤血球が運ぶ酸素は、彼にとって重いのだろうか、軽いのだろうか。彼らは血管の中を、薄暗いと感じているだろうか。あるいは新生したり修復される毛細血管の中で、騒がしいと感じるだろうか。
 思考が煮えたぎってのぼせかえり、単純でとりとめがなくなっていった。それでもとにかく美術館を歩き回り続け、目についた鉄骨を、その時々で近くにいる一人か二人で運んだ。それを何度も繰り返す内に、眠る直前のように妙に四肢が重くなってきた。同じ種類の鉄骨が、運ぶたびにどんどん重くなっていくように感じられた。次第に、ゆであがった頭が、遅れて、限界が近いと理解しはじめた。
 気が付くと、久しぶりに手押し車にあてがわれていた。鉄骨がざっと数十個は積まれた手押し車は、計り知れないほど重たく反抗的だった。熟練した者が中央のしんがりに付いて、六人がかりで運ばなければならない暴れ牛だった。右翼と左翼の腕を担う者らに、中央の隊長が何度も檄を飛ばした。車輪に巻き込まれればたちまち足の骨が粉々になるし、軌道がそれて壁にぶつかればどうなるかは考えたくもなかった。
 そのとき、車輪の前輪が一つ、敷かれた木の板を僅かにそれて、美術館の床板を踏み抜いた。ぞっとしたが、数人の男が駆け寄って、前のめりに沈んだ鉄の水牛はすぐに路肩に引き上げられた。それは排水溝にタイヤが落ちた自動車を救い出すさまに似ていた。だから男達の中の熟練した顔の者達が、よくあることのように対処できたのか、実際によくあることとして対処したのかは分からなかった。後から誰かが責任を問われたという話は聞かずに済んだので、よくあることだったらしい。
 正しい進路と慎重さを取り戻した手押し車は、遂に太陽光がガラスを照りつける入り口のスロープまで辿り着いた。タキシードの老紳士が再びタグの提示を求めたので、首元を見ずに片手で胸を探ってタグと思わしき汗まみれのプラスチック板をひっくり返した。老人が笑顔で頷いたので、裏側が前になっていたタグの、表側を前にできたのだろうと思った。それ以上の労力と集中力を割くことは不可能だった。ガラス張りの傾斜路を、ひどく肥え太って帰還した手押し車と一体になって慎重にくだっていった。曲がり角のたびに声を掛け合い、ほとんど停止しているくらいまで速度を落とした。
 遂に全ての車輪がアスファルトに着地し、忌々しいガラス張りの手すりからガタガタと十分に遠ざかると、手押し車越しに向かい側の腕の安堵が伝わってきた。制御が緩んで速度がつき、比例して強まる地面の振動が積み荷の鉄骨と運び手達の上半身を揺らした。

 吐息で雲を吹いたような青空の下、たわわな緑の生け垣に囲まれた入り口は、戻ってみると開放感があった。そこから何度か手押し車を動かしては四本の車輪の固定レバーを上げたり下げたりする内に、すっかり守衛の詰め所がある門の前まで着いていた。そこがその日の労働の終着地のようだった。群れに加わった中にいた人間が皆集まって談笑していた。ほとんどが入場前より薄着になっていた。そしてその脱いでいた上着をまたしっかりと着こんだ。
 門が開き、灰色の大きなトラックが入ってきて、手押し車の駐屯地に背を向けて停車した。荷台からスロープがゆっくりと降りてきて、アスファルトにくちづけした。そのスロープからビジネスホテルの部屋ほどの空間が待ち受ける荷台へ、余力のある男達によって手押し車が手早く押し込まれた。彼らは間もなく帰れることを知っていた。群れの他の誰かが持ってきた、何に使うのか検討も付かない、鋼鉄でできた箱型の骨組みが足元にあった。それは鏡面加工されていて青空が映っていた。まとめて持ち上げたその最後の荷を、荷台で待ち受ける男に手渡した。それらは軽かった。

 トラックの出立を見送って、いくつかの詰め所で手続きを終え、首のタグを返却した。その頃には徐々に体が軽くなり、肉体を取り戻しつつあった。軽食の入った袋と、茶の入った小さなスチール缶を渡された。全員からヘルメットを回収した隊長が歩きだすと、群れはその背に曖昧について、朝来た道を戻り始めた。足取りは軽かった。まだ日は暮れていなかった。誰でも近くにいる者同士、雑談をしながら歩いた。駅に向かうばかりなので、いつ隊長を見失ってもよかった。雑談をきりあげて、一人で噴水並木に折れてみた。噴水沿いに敷かれた長大な石段の、鳩が汚していない綺麗な辺りに腰掛けると、日光をよく浴びてあたたかかった。噴水の並木は消えたり現れたりして、そのたび小さな霧ができた。霧の向こうにも石段は広がっていて、あちこちに人が憩っていた。袋から昼食を出して膝に広げると、肉と野菜と炭水化物が行儀よく揃っていた。スチール缶のタブを引くと茶の細かいしぶきが指先にかかった。シャワーのような噴水の音で、喧騒の残滓が耳からはがれ落ちていき、かわりに樹上の野鳥の鳴き声がよく聴こえてきた。


<終>